キキョウソウ 桔梗草 （ キキョウ科キキョウソウ属 ）

キキョウソウ 桔梗草 は、北アメリカ原産の一年草で、東北以南に広く帰化して、道端でも普通に見られます。 茎は単生か基部でわずかに枝を分けた後に、それぞれ直立して高さ３０～８０㎝になります。 稜があり、稜の上には白い剛毛がつきます。 葉は互生し、広卵形で長さ1～2㎝、先はやや尖り、茎の上部では葉柄はなく、基部は心形になって茎を抱きます。 縁に粗い鋸歯があり、縁や脈には白く短かい剛毛がつきます。 茎の下部につく葉は、短い葉柄あり、すぐに落葉します。 花期は４月から７月にかけて、葉腋に花柄のない花を１～３個つけ、初めは閉鎖花だけを、のちに開放花をつけます。 開放花の花冠は濃い紫色で、５深裂し花径は１０～１８㎜、裂片外面の脈上には短い粗毛があります。 雄性先熟の花は雄しべ５個、葯は線形で、こん棒状の雌しべの周囲に葯を接触させて花粉を付けます。 雄しべがしなびて離れると、こん棒状だった柱頭が３裂して開き、雌性期に入ります。 ガク片はふつう５個、三角形で先端は鋭く尖がります。 閉鎖花のガク片は３～４個と開放花より少なく、また小さくなります。

キキョウソウ 桔梗草 Triodanis perfoliata syn．Specularia perfoliata 撮影・東京都薬用植物園

果実は円筒形の蒴果で、長さは５㎜ほど、上部にガク片が残り、熟すと果実の側面に、３個の穴が開き、種子がこぼれ落ちます。 側面には、穴が開く前から、それとわかる部分を見ることができます。 種子は長さ０．５mm程度の楕円形で、やや扁平、茶褐色で光沢があります。 別名 ダンダンギキョウ 段々桔梗 は、花の付き方から。 英名の Venus' looking-glass （ ビーナスの姿見 ） は、蒴果の穴の形から、或いは種子の形を 「 手鏡 」 に例えたという説があります。 属名：Triodanis 、ギリシャ語由来 treis ３つ ＋ odous 歯、という意味。 synonym属名：Specularia 、鏡の、という意味。 種小名：perfoliata 、貫通した葉の、という意味。葉が茎を抱く形から。 2025.06.10.New 参考書籍  「 野草図鑑　さくらそうの巻 」、「 ワイド図鑑 身近な野草・雑草 」、「 日本帰化植物写真図鑑 」  国立環境研究所　侵入生物データベース　https://www.nies.go.jp

キキョウソウ （ 左から ） 茎下部の葉 ／ 果実 ／ 側面に窓が開く

このページのトップへ↑