ツワブキ 石蕗 （ キク科ツワブキ属 ）

ツワブキ 石蕗 は、東北地方南部から沖縄にかけて、海に近い地域に自生する常緑の多年草です。 芽吹きの葉は、灰褐色の綿毛におおわれて内側に巻き、成長すると無毛になります。 根生葉は１０～３５cmの長い葉柄があり、葉身は鈍い鋸歯縁の腎円形で、長さは１０～３０cmになります。 葉質は厚く、表面は深緑色で艶があり、基部は心形です。 花茎につく葉は小さく、長さ２cmほどの長楕円形です。 １０月から１２月にかけて、高さ３０～８０cmの花茎を伸ばし、茎頂の散房花序に数個の頭花をつけます。 蕾は筒状で、総苞片は厚く、一列に並びます。 花は直径５cmほどあり、周囲はあざやかな黄色の舌状花１０～１５枚が一列に並び、内側には多数の筒状花がつきます。 果実は痩果で長さ１cm前後、１月下旬ころから熟して、短い細毛が密生します。 先端の冠毛は淡褐色で長さ１cmほどです。

綿毛に被われる若葉

ツワブキ Farfugium japonicum synonym F．tussilagineum 撮影・東京都薬用植物園、他

ツワブキ は、半日陰でも良く育ち、庭園などに植栽されます。 食材としては、春、葉の開く前の若い葉柄を、キャラブキなどに利用できます。 また、葉や根茎は生薬名をタクゴといい、民間薬の領域で、打ち身、捻挫、腫物などに用いました。 和名は、葉に艶のある蕗であることから 艶蕗 （ ツヤブキ ）、または 艶葉蕗 （ ツヤハブキ ） が訛ったといわれています。 また、厚い葉の蕗として 厚葉蕗 （ アツバブキ ） から、「 ア 」 がとれて、ツバブキ から ツワブキ になったという説もあります。 属名：Farfugium 、フキタンポポ Tussilago Farfara の古名から。 種小名：japonicum 、日本産、日本の という意味。 synonym種小名：tussilagineus 、フキタンポポ属 Tussilago のような という意味。 2004.-2013.-2021.08.-2025.06.22.Re 参考書籍  「 野草図鑑　たんぽぽの巻 」、「 ワイド図鑑 身近な野草・雑草 」、「 沖縄の身近な植物図鑑 」、  「 家庭で使える 薬用植物大事典 」、「 野草の名前・秋冬 」

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