ウド 独活 （ ウコギ科タラノキ属 ）

ウド

生薬名： ドクカツ （ 独活 ） [ 局 ]

用途： 漢方薬

ウド 独活 は、北海道から九州に分布し、日当たりのよい山野の林縁や、半日陰の斜面などに自生します。 「 うどの大木 ※１ 」 という言葉があるように、高さ１～２ｍになる大型の多年草です。 野生のものはヤマ （ 山 ） ウドと呼ばれ、春、全体が白い毛におおわれて、葉が展開前のものが、香りの強い山菜とされます。 また、野菜としては、室で光を当てずに栽培される軟化した白いウドも、店頭でよく見受けられます。 ※１ うどの大木 ： 大きくても役に立たないもののたとえ。 茎は太く円柱形で、分枝は少なく、全体に粗い毛が生えています。 葉は互生する２回羽状複葉で、長い葉柄があり、あわせると長さは５０cm～1ｍになります。 小葉は卵形～楕円形、長さ５～２０cmで、先端は鋭く尖り、基部は浅い心形、縁には小さな鋸歯があります。 花期は夏から初秋 （ ７～９月 ） にかけて、茎上部の葉腋に大きな円錐形の花序をだし、枝を分けて球状の散形花序を多数つけます。 花柄には褐色の綿毛が密生します。 小花には長い柄があり、花弁は５個、薄緑色で反転し花径は３mmほど、雄しべは５個あり、めしべは１個で下位の子房につき、花柱は５個あります。 両性花と雄花があり、開花直後の雄性期には、見分けが難しく、両性花は雌性期に入ると花弁が落ちて、花柱が外に傾き広がります。

ウド 独活 Aralia cordata 東京都薬用植物園

ウド の果実は液果で、直径２～３mmの球状をして、秋に黒紫色に熟します。 果実の中には、ゴマ状の種子が数個入ります。 根茎は生薬名を ドクカツ ※２ 独活 といい、十味敗毒湯などの漢方処方に配剤されます。 なお、英名は、和名がそのままの udo です。 ※２ ドクカツ ： 読みは日本薬局方より。 属名：Aralia 、カナダの現地名から。 種小名：cordata 、心形の という意味。 2023.01.24.New

ウド （ 左 ） 花序 ／ （ 右 ） 黒紫色の果実 箱根湿生花園、他

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