ホホバ （ ホホバ科ホホバ属 ← ツゲ科 ）

基原植物名 ホホバ

成分名 ホホバオイル

用途 化粧品等製造原料

ホホバ は、メキシコ北部からアメリカ南西部（カリフォルニア、アリゾナなど）にかけての乾燥地帯に分布します。 雌雄異株の常緑低木で、ふつう樹高・幅とも２ｍほど、幹はよく枝分かれし、細く長い枝を周囲に拡げます。 葉は直立 ※１ して対生につき、葉身は長さ４cm程の長楕円形～卵形、厚く革質、全縁、鈍頭です。 葉柄はなく、若い枝と葉の両面には、白い短毛が密生します。 花期は３～５月、雌雄とも目立たない花を、葉腋から下垂します。 風媒花で、雄花序は多数の花をまとめてつけ、雄花はガク片５～６個、雄しべ１０～１２個がつきます。 葯は黄色、ガク片は黄緑色で、先が丸く花弁状に開平します。 雌花は単生し、子房は先の尖った淡緑色のガク片５～６個に包まれ、糸状の柱頭３本をガク片より外へ伸ばします。

ホホバ Simmondsia chinensis 撮影：つくば実験植物園、他

果実は、緑色のドングリを思わせる形状で、普通、１個、最大３個の種子が入り、完熟すると裂開して種子を落とします。 ※１ 直立 : 太陽を全面に受けて葉の温度が高くなりすぎないよう、砂漠に適応した形態とされる。

雄花 （左） ／ 雌花 （中央） ／ 未熟な果実 （右）

種子は黒褐色の堅い種皮に被われた楕円体で、長径方向に３稜があります。 種子から得られるホホバオイルは、アメリカ先住民が、乾燥から頭髪や皮膚を保護するために利用していたことで知られます。 優れた保湿効果があり、多くのスキンケア化粧品などに配合される他、アロマテラピーで精油のキャリアオイルとしても利用されています。 酸化されにくく保存性に優れ、入手のできなくなった鯨油に替わる液状ワックスとして重要視されています。

ホホバの種子

英語の別名には、goat nut （ ヤギナッツ ）、deer nut （ 鹿ナッツ ）などがあり、 その種子は、リスやウサギ、大型の鳥類など、多くの動物に食べられています。 実際には難消化性であることから、特定の哺乳類以外には、大量の摂取は毒性があります。 ヒトの場合は下剤としての作用を示します。 属名：Simmondsia 、英国の植物学者シモンズに因む。 種小名：chinensis 、中国の の意味。実際には中国産ではない。 2005.07.-2020.04.-2025.03.08.Re 参考資料 筑波実験植物園 植物図鑑 ttps://tbg.kahaku.go.jp/recommend/illustrated/index.php  山科植物資料館　https://yamashina-botanical.com/botanical/ホホバ/  Arizona-Sonora Desert Museum　https://www.desertmuseum.org/books/nhsd_simmondsiaceae.php

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