オシロイバナ 白粉花 （ オシロイバナ科オシロイバナ属 ）

オシロイバナ 白粉花 は、中南米原産の１年草 （ 環境により多年草 ） で、観賞用に導入されたものが、逸出して帰化 （ 1694年、江戸・元禄時代の記録 ） しました。 根茎から多肉質の円柱状の茎を出し、節は太く、多数に分枝して茂り、高さ０．５～１ｍになります。 葉は対生し、葉身は広卵形から三角形、長さは５～１５cm、先は鋭く尖り、基部は切形です。 全縁で縁に微毛がある以外は、ほぼ無毛、短い葉柄があります。 花期は７月から１０月、茎の先端付近の葉腋に花序を出し、数個の花を咲かせます。 花冠に見えるのは漏斗状のガク筒にあたり、先は浅く５裂して直径２～３cmに広がります。 花の長さは５cmほどあり、花色は赤・白・黄色など多様、夕方から夜間に咲いて、翌朝には萎む１日花です。 雄しべは５個、花糸は細く、葯は円盤状で、ガク筒から突出します。 雌しべは１個、やはり細い花柱で、葯の先まで出ます。 ガク筒の基部は淡緑色の苞に包まれ、苞は鐘形で５裂し、裂片の先は尖り、後に果実を包む形で宿存します。

オシロイバナ 白粉花 Mirabilis jalapa 撮影地：東京都

ガク筒が長いため、口吻の長いスズメガなどによる虫媒花です。 昆虫による受粉の他に、雄しべと雌しべを巻いて絡ませることで、同花受粉を行います。 果実は楕円形で黒く熟し、直径は７mmほど、硬い果皮に覆われ、縦に畝状の突起が並びます。 果実の中には、一個の種子が入り、胚乳は白い粉状になっています。 和名は、胚乳の粉をおしろいに見立てたことで オシロイバナ とつけられたとされます。 他に、花が白粉のような芳香を持つことからともいわれます。 別名の ユウゲショウ 夕化粧 ※１ は芳香と、夕方から開花することからも同じ理由です。 英語名の　four　o'clock（４時）は、夕方に咲き始めることによります。 なお、本種は胚乳の白い粉も含めて、有毒です。 ※１ 夕化粧 ： アカバナ科に 同名 の種がある。 属名：Mirabilis 、驚異の という意味。 種小名：jalapa 、メキシコの地名ヤラッパ から。 2006.-2021.03.-2025.12.17Re 参考書籍等  「 沖縄の身近な植物図鑑 」、「 日本帰化植物写真図鑑 」 、  国立環境研究所　侵入生物データベース　https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80020.html  かぎけん花図鑑　https://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-oshiroibana_large.html

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