| ヤマハギ 山萩 ／ ミヤギノハギ 宮城野萩 | （ マメ科ハギ属 ） | |
| マルバハギ 丸葉萩 ／ マキエハギ 蒔絵萩 |
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万葉集の中で植物を詠んだ歌は、萩の歌が１４０首余りと一番多く、日本では古くから、萩の花を鑑賞し親しんできたことがわかります。
萩という名の種はないことから、何種類かの総称名として使用していたと見られます。
現在は、ハギ属という植物群の名称にもなっています。 ハギ属に共通する項目として、葉は複葉で、小葉は全縁になります。 花は蝶形花、楕円形の大きな旗弁が１個、両側に翼弁、中央に竜骨弁 （ 舟弁 ） が向き合ってつきます。 雄しべは１０個あり、９個は合着して、１個が独立してつく 「 ２体雄蕊 」 になります。 また、果実・豆果は、熟しても裂開しないで、そのまま散布されます。 |
ヤマハギ 山萩 は、北海道から九州まで広い範囲に分布する落葉低木です。
日当たりの良い山地に生え、細い枝を叢生、多数分枝して、枝がしだれることはほとんどなく、高さ２ｍほどになります。
葉は互生する３出複葉で、小葉は広楕円形、長さは２～５cm、先端は円形か鈍く尖り、ときにわずかに凹みます。
長い葉柄があり、基部には披針形の小さな托葉がつきます。
７～９月頃に当年枝の葉腋に総状花序を出し、多数の紅紫色の蝶形花をつけます。
花は長さ１０～１５mm、旗弁は倒卵形～広楕円形で先は凹み、基部は濃い紅紫色、裏面は淡紅紫色になります。
翼弁は楕円状で紅紫色、竜骨弁よりやや短く、ガクは半ば付近まで４深裂して裂片の先は尖ります。
果実は豆果、扁平な楕円形で先が尖り、長さは１～１．５cm、種子１個が入り１０月頃に熟します。 |
ヤマハギ 山萩 Lespedeza bicolor 撮影・東京都薬用植物園 |
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属名：Lespedeza 、１８世紀のスペイン人でフロリダ州知事 Vincente M．de Cespedes に献名。 CとLの違いは誤植といわれる。 種小名：bicolor 、二色の という意味。 参考書籍 「 日本原色雑草図鑑 」、「 ワイド図鑑 身近な樹木 」、山形市野草園 https://www.yasouen.jp/、 高尾599ミュージアム https://www.takao599museum.jp/treasures/plants/ |
マルバハギ 丸葉萩 は、本州から九州の山地に生える、高さ１～３ｍの落葉低木です。
よく分枝して長く伸びる枝は、ややしだれ、葉が ヤマハギ に比べて、丸いことから丸葉萩の名前になっています。
葉は３出複葉で互生、小葉は楕円形～倒卵形で長さ２～５cm、先は丸いかやや凹み、小さな托葉は披針形です。８～９月に葉腋に総状花序を出し、花序柄が葉より短いため、花は葉の近くでまとまって開花するのが特徴です。 花は紅紫色で長さ１０～１５mm、旗弁は倒卵形、翼弁は長楕円形で竜骨弁より長くなり、ガクの先は５裂します。 果実は豆果、扁平な円形～楕円形で先が尖り、長さは７mmほど、１個の種子がはいり、１０～１１月に熟します。 |
マルバハギ 丸葉萩 Lespedeza cyrtobotrya 撮影・小石川植物園、他 |
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万葉集で、山上憶良が秋の七種 （ ななくさ ） として詠んだ萩は、ヤマハギ か
マルバハギ とみられています。
別名 ミヤマハギ。 種小名：cyrtobotrys 、曲がった総 （ ふさ ） botrys の という意味。 参考書籍 「 ワイド図鑑 身近な樹木 」、山形市野草園 https://www.yasouen.jp 高尾高尾599ミュージアム https://www.takao599museum.jp/treasures/plants/ |
ミヤギノハギ 宮城野萩 は、本州の中央部本州の東北地方、北陸地方、中国地方に分布する日本固有種です。
高さ１～２ｍの落葉低木で、枝は長く伸びて多数分枝し、地表近くまでしだれる姿が特徴的で、庭園等でよく植栽されています。
葉は互生する３出複葉、小葉は長楕円形、長さは２～６cm、先端が尖り、裏面には伏毛が生え、披針形の小さな托葉がつきます。
花期は８～１０月、葉腋に総状花序を出し、花序柄は長く１０cm近くになります。
花冠は紅紫色で、長さ１５mmとハギの仲間では大きな花を２個ずつつけます。
旗弁は広卵形～広楕円形、翼弁は長楕円形で竜骨弁よりあきらかに長く、開花時には斜上します。
花期が長く、開花に連れて花柄が長く伸びてしだれます。
果実は豆果、結実数は少なく、扁平な倒卵状楕円形で先が尖り、長さは８mmほど、１個の種子がはいり、１０～１１月に熟します。 |
ミヤギノハギ 宮城野萩 L．thunbergii subsp. thunbergii f. thunbergii 撮影・東京都薬用植物園 |
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ミヤギノハギ の名は、歌枕 「宮城野」 からとったとする説があります。
種の由来については、日本海側に産するケハギを母種とする園芸品種とか、他種との交雑によるなどの見解があり不明です。
夏から咲くので、ナツハギの別名があります。 種小名：thunbergii 、人名由来。日本の植物を研究した C．P．Thunberg に因む。 参考書籍 「 ワイド図鑑 身近な樹木 」、山形市野草園 https://www.yasouen.jp |
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マキエハギ 蒔絵萩 は、本州中部から沖縄の山野に分布します。
冬に地上部がほとんどなくなる小低木で、高さ４０～６０cmになります。
枝は細くやや稜があり、葉は３出複葉で互生、小葉は楕円形、長さは１～２cmくらい、先は丸いか凹み、頂部に剛毛がつきます。
葉の表面は無毛で濃緑色、裏面は短毛があり、白緑色になり、糸状の托葉があります。 花期は８～９月、葉腋から出す総状花序の柄が長く、柄の先にまとまるように数輪の白い花をつけます。 蒔絵萩という優雅な名前は、この細く長い花柄の様子が蒔絵の筆運びを思わせるとしてつけられています。 花は長さ５mmほど、旗弁の基部には赤い斑が入り、翼弁は竜骨弁とやや隙間を開けてつきます。 ガクの先は４～５深裂し、裂片の先は針状に細く伸びます。 |
マキエハギ 蒔絵萩 Lespedeza virgata 撮影・つくば実験植物園 |
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豆果は広卵形、長さは４mmほど、１個の種子が入ります。
他に閉鎖花をつけるため、葉腋に多数の果実がつきます。 種小名：virgata 、枝のある という意味。 2013.-2020.12.-2025.11.02.Re 参考書籍 植木ペディアhttps://www.uekipedia.jp/ 牧野植物園 https://makinomigoro.jp/flower/flower-10159/ |
マキエハギ （ 左から ） 葉 ／ 果実 ／ 閉鎖花の果実 |
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