ツルレイシ　蔓茘枝 ／ ニガウリ　苦瓜 （ ウリ科ニガウリ属 ）

ツルレイシ 蔓茘枝 は、熱帯アジア原産のつる性の１年草です。 つるは毛が密生し、分枝をして長さ１～５ｍになり、葉と対生してつく巻きひげで周囲に絡みついて広がります。 葉は互生し、葉身は卵円形で長さ６～１５cm、掌状に５～７深裂します。 裂片は倒卵形で、さらに浅く裂け、縁には粗い鋸歯があり、基部は心形です。 花期は５月から９月、雌雄異花で葉腋に雄花あるいは雌花を単性します。 花冠は黄色で、５裂して平開し、直径は３～４cmになります。 花の多くは花柄の細い雄花で、雄しべは３個、葯は橙黄色です。 雌花は数が少なく、淡い緑色の柱頭があり、果実を小さくしたような子房が花冠の下につきます。

ツルレイシ 蔓茘枝 、 ニガウリ 苦瓜 Momordica charantia var．pavel 雄花 （ 左上 ） と 雌花 （ 左下 と 右）  撮影：東京都薬用植物園

果実は細長い紡錘型で、長さは２０～４０cmあり、果皮は全体にイボ状の細かな隆起があります。 果実は未熟な時期の緑色から、熟すと橙色に変わり、柔らかくなって裂開します。 種子は惰円形で、赤いゼリー状の甘い仮種皮に包まれます。 苦味がある未熟な果実を食用とし、ビタミンＣが豊富として人気があり、焙煎してお茶にも利用されます。 比較的簡単に実るので、家庭菜園でも良く植えられています。 近年では、エコロジーの観点から、日除けのための緑のカーテンとして栽培されることも多くなっています。 和名の ツルレイシ は、つる性であること、果実が レイシ ※１ のような隆起のある外観であって、仮種皮が甘くなることを重ねあわせての命名とされます。 別名のニガウリは、果実に苦味があるところから、沖縄の地方名 ゴーヤー （ ゴーヤ ） は、沖縄料理でも知られる様になりました。 標準和名よりも、別名や地方名の方が、認知度が高いようです。 中国名も 苦瓜、英名も同じ意味の bitter melon です。 ※１ レイシ ：  ムクロジ科レイシ属の果樹で、中国原産の一属一種。 果実 （ 右画像参照 ） は球形で、ライチの名でも知られる。 属名：Momordica 、かじる、咬む mordeo 、種子のかじられたような不規則な凹凸から。 種小名：charantia 、ツルレイシのインド名由来とされる。 変種名：pavel 、不明、人名由来とも。 2004.-2012.-2021.06.-2025.05.01.Re 参考書籍  「 生薬単 」、「 沖縄の身近な植物図鑑 」、他

（ 左から ） 未熟な果実 ／ 裂開した果実、残る赤い仮種皮 ／ 縁が凹凸の種子

このページのトップへ↑