フウセントウワタ 風船唐綿 （ キョウチクトウ科フウセントウワタ属 ）

フセントウワタ 風船唐綿 は、もっぱら球状に膨らんだ果実が鑑賞の対象になっています。 アフリカ南部が原産とされる高さ１～２ｍの常緑低木で、耐寒性がないため、国内では落葉低木や１年草の扱いをされています。 茎や葉を傷つけると、白色の毒性ある樹液を出すので、特に目に入らないように注意が必要です。 葉は対生し、葉身は狭い披針形で長さ１０cmほど、全縁、先端は尖り、基部は細いクサビ形になります。 花期は８月から１１月ころ、茎の上部の葉腋に散形花序を出し、数個の花を下垂します。 ガク片５個は針形で緑色、乳白色の花冠は５深裂して、裂片は後方に反り、花の直径は１５mmほどです。 花の中心には雄しべと雌しべが合着した蕊柱 （ ずいちゅう ） があり、先端は５角形の柱頭になります。 雄しべは５個あり、葯は５角形の柱頭盤の５辺につき、雌しべは２個、花柱は蕊柱の内側にあるため、外からは見えない形になっています。 蕊柱の外側には、赤紫色を帯びた袋状の副花冠５個が囲み、それぞれに蜜がたまります。

フセントウワタ 風船唐綿 Gomphocarpus physocarpus 東京都

果実は球状に膨らみ、長さは５～１０cm、外側には柔らかい突起が多数つき、熟すと縦に割れます。 内部には多数の平たい種子が積み重なって入り、茶褐色で長さは５mmほど、頂部には針のように細くまとまった種髪がつきます。 種髪は果実が割れると、光沢のある細毛を大きく広げ、風を受けて飛ばされます。 フウセントウワタの和名で呼ばれる植物は、２種類 ※１ あって、果実の形に違いがあります。 ほぼ球形の Gomphocarpus physocarpus と、卵状で先が細くなる別種の G．fruticosus です。

※１ ２種類 ： 和名・学名の表記は、 果実の形状から、G．physocarpus と判断し、和名は、YList に従った。 属名：Gomphocarpus 、こん棒 gomphos ＋ 果実 carpos、不明　命名由来は分からなかった 種小名：physocarpus 、膀胱 physa ＋ 果実 carpos 、膨らんだ膀胱のような果実 の意味。 2005.-2008.-2021.05.-2025.03.21.Re 参考資料 福原のページ ( 植物形態学・生物画像集など )  https://staff.fukuoka-edu.ac.jp/fukuhara/keitai_low/fuusentouwata.html、他

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