クコ 枸杞 ／ ナガバクコ 長葉枸杞 （ ナス科クコ属 ）

基原植物名  クコ  ／ ナガバクコ	生薬名 クコシ （ 枸杞子 ）  [ 局 ]	用途 漢方薬、食用
	生薬名 ジコッピ （ 地骨皮 ）  [ 局 ]	用途 漢方薬

基原植物名 クコ	生薬名 クコヨウ （ 枸杞葉 ） [ 局外 ]	用途 民間薬、茶剤

クコ 枸杞 は、中国原産の落葉低木で、東アジアの熱帯から温帯にかけて分布します。 繁殖力が強く、湿り気のある土壌を好みながら、乾燥にも耐え、川べりや路傍など、陽の当たる場所に群生します。 幹は下部で多数分岐して、長さ１～２ｍの細い枝を伸ばし、枝には縦の稜がつきます。 枝は弧を描いて垂れ下がり、地面に接地すると、先端から発根することもあります。 長い枝には多数の短枝があり、葉の多くは短枝に数葉がまとまってつきます。 葉身は長楕円形～倒卵形で長さ２～４cm、先は尖り、基部は細いクサビ形になり、質はやわらかく全縁です。 葉柄は０．５～１．５cm、しばしば葉腋に、長さ１cmほどの刺をつけます。 花期は８～１１月頃、短枝の葉腋に漏斗状で淡い紫色の花をつけます。 花冠の先は５裂し、裂片は大きく開いて直径１cmほどになり、雄しべは５個、雌しべは１個、いずれも花冠から突出します。 果実は楕円形の液果で長さは１cmほど、赤熟して枝に並び、多数の種子が入ります。 種子は扁平な腎形で淡褐色、長さは２mmほどです。 花期が長いため、秋が深まる頃には、花と果実を同時に見ることもあります。

クコ 枸杞 Lycium chinense 撮影・東京都薬用植物園

クコ の熟した果実は、昔から身体に良いものとして、食用や薬用に使われてきました。 乾燥した果実は、生薬名をクコシ （ 枸杞子 ） といい、滋養強壮の薬用酒などに用いられます。 ドライフルーツは、特に薬膳料理では定番食材といえるほど良く利用されます。 また、クコの根の皮をはいで乾燥させたものは、生薬名をジコッピ （ 地骨皮 ） といい、血圧降下、血糖降下、解熱の効果があります。 クコの根が骨のようであるところからの名前で、清心蓮子飲 （ せいしんれんしいん ） などの漢方薬に配合されます。 クコの若葉は、ご飯に炊き込むなどして食用にできます。 また夏期の成葉は、蒸すか湯通しした後に天日乾燥し、カフェインを含まない茶剤として利用できます。 生薬名を クコヨウ （ 枸杞葉 ） といい、解熱や止渇などに用います。 属名：Lycium 、ギリシャ語由来。棘のある植物 lykion の名を転用した。 種小名：chinense 、中国の という意味。 参考書籍 「 生薬単 」、「 ワイド図鑑 身近な樹木 」、「 家庭で使える 薬用植物大事典 」 ナガバクコ 長葉枸杞 は、樹高１～２ｍになる中国原産の落葉低木です。 枝は細く長く伸び、葉は長枝につく短枝に２～３個がまとまってつきます。 葉身は長楕円形から長い披針形で、先は尖り、基部はクサビ形で、全縁です。 ７月から１０月に、淡い紫色の花をつけ、花冠の先は５裂して大きく開き、雄しべ５個、雌しべ１個あり、いずれも花冠から突出します。 果実は液果で、長さ１～２cmの楕円形になり、赤く熟して下垂します。 本種はクコと同様に、日本薬局方のクコシ、ジコッピの基原植物種になっています。 局外のクコヨウとしては、収載されていないため対象外です。 種小名：barbarum 、外国の、異国の という意味。 2005.-2012.-2021.01.-2025.10.15.Re 参考書籍 「 日本原色雑草図鑑 」、他

ナガバクコ 長葉枸杞 Lycium barbarum 撮影・東京都薬用植物園

このページのトップへ↑