| トウガラシ 唐辛子 （ ナス科トウガラシ属 ） |
| 基原植物名 トウガラシ | 生薬名 バンショウ （ 蕃椒 ） [ 局 ] | 用途 漢方薬、製造原料、香辛料 |
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トウガラシ 唐辛子 は、熱帯アメリカ原産の多年草で、日本には１６世紀末に渡来 （ 有力説 ） しました。
温帯の栽培では、１年草の扱いになり、江戸時代には鷹の爪、八房などの品種が創出されています。
よく枝分かれをして、高さは３０～１００cmになります。
葉は互生し、葉身は卵形から披針形で、先は鋭く尖り、全縁、長い葉柄があります。 夏に茎頂付近の葉腋から長い花柄を出し、白色の花をやや下向きにつけます。 花冠は５～７裂し、裂片は開平して先は尖り、直径は１５mmほどになります。 雄しべは５～７個がつき、雄しべより長い１個の雌しべを囲んで直立します。 果実は上向きにつき、長さは３～１０cmの長円錐形～紡錘形、秋に赤く熟し、ガクは果実に宿存します。 汁の少ない液果で内部は空洞になり、ふつう２室に分かれて、中心の胎座に多数の種子がつきます。 辛味成分のカプサイシンは、この胎座に最も多く含まれます。 種子は０．５mmほどの扁平な円形で、淡い黄褐色をしています。 |
トウガラシ 唐辛子 （ 鷹の爪 ） Capsicum annuum 撮影・東京都薬用植物園 |
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果実は七味唐辛子のような香辛料として利用される他、薬用にも使用されています。
生薬名をトウガラシ （ 唐辛子 ） またはバンショウ （ 蕃椒 ） といい、少量では辛味性健胃薬となります。
外用では皮膚を刺激することによる、皮膚の血管拡張作用があります。
トウガラシチンキの製造原料とされ、エキスは温湿布剤や養毛剤などに配合されます。 和名の 「 唐 」 は、実際の中国ではなく 「 外来の 」 といった意味合いになります。 辛くない甘味系のものも同じ トウガラシ の品種にあり、ピーマンはそのひとつです。 他に果実の色や形が様々な、多数の品種が作られて、観賞用にも利用されています。 属名：Capsicum 、箱 capsa 、袋状の果実から。（ 薬の ） カプセル Capsule の語源。 または、刺激的な辛さから、咬む kapto 語源説もある。いずれもギリシャ語由来。 種小名：annuum 、（ 植物の ） 一年生の という意味。原産地では多年草。 2013.-2021.07-2025.06.15.Re 参考書籍等 「 生薬単 」、「 新訂生薬学 」、「 家庭で使える 薬用植物大事典 」、他 |
トウガラシ 唐辛子 （ 八房 ） Capsicum annuum 撮影・東京都薬用植物園 |
| トウガラシと別種 | ハバネロ ／ ブート・ジョロキア （ ナス科トウガラシ属 ） |
| 以下の２種は、参考までに掲載、一般的な内容にとどまります。 ハバネロ Habanero は、トウガラシ属の一種 カプシクム・キネンセ （ シネンセ ） の栽培品種のひとつで、非常に辛いことで知られます。 中南米からアマゾンが原産とみられていて、Habanero は キューバの首都 ハバナにちなんで名づけられています。 ７～９月に、枝分かれする茎の分岐点に、複数の白色の花を下向きにつけます。 果実は釣り鐘型で長さは２～６cm、熟すと品種によって橙色や黄色などの色に変わります。 食欲増進に効果がありますが、胃弱者や体調不良のときなどには、却って悪化することがあります。 強い刺激があり、液が皮膚についたまま洗い流さずに置くと、やけどのような症状になります。 |
ハバネロ Capsicum chinense 撮影・東京薬科大学薬用植物園 |
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ハバネロよりも辛い ブート・ジョロキア は、カプシクム・キネンセ と キダチトウガラシ C．frutescens
の近縁の２種 （ ２種を同一種とする見解もある ） を交配した栽培品種です。
インドあるいはバングラデシュ産とされ、栽培環境は高温を好みます。
果実は卵形で長さ６～８cm程度で、非常に刺激が強いため、素手で触わることは避ける必要があります。
特に粘膜への影響が大きいため、不用意に顔を近づけることなども厳禁です。 種小名 chinense 、命名者が中国産と勘違いしたことによるとされる。 種小名 frutescens 、低木状の という意味。 2013.-2021.07.-2025.06.16.Re |
ブート・ジョロキア C．chinense × C．frutescense ’Bhut-jolokia’ 撮影・東京都薬用植物園 |
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