キチジョウソウ 吉祥草 （ キジカクシ科キチジョウソウ属 ）

キチジョウソウ 吉祥草 は、関東地方から九州までの山林内に自生する常緑の多年草です。 水はけの良い半日陰を好み、走出茎が地表またはごく浅い地下を横走して先に根を出すところから、しばしば群生をします。 和名は、「 庭に植えておくと、なかなか咲かないけれど、花が咲くとその家に吉事がある 」 とか、「 吉事があると花が咲く 」 と言われたことからとされます。 実際には、吉事と関係なく、毎年ふつうに咲きます。 葉は１株に３～８葉が根元からでて、若い葉は狭い倒披針形、成葉は長さ１０～３５㎝の線形です。 葉の先は鋭く尖がり、３本の葉脈が目立ち、質は柔らかく無毛、草丈は１０～３０cm程度になります。

キチジョウソウ 吉祥草 Reineckea carnea 東京都薬用植物園

花期は１０月～１１月、根元から赤紫色の長さ５～１５cmの花茎を出します。 花は穂状花序につき、花序の長さは３～６cmほどで、下部には両性花がつき、上部では雄花の小花が交じります。 花被は淡い紅紫色、長さは６mmほど、やや肉質で基部は筒状、先端は深く６裂して反り返ります。 花序が短く、花は葉に隠れて咲くため、すぐには開花に気付かないこともあります。 雄しべ６個、葯は長さ２mmほど、雌しべの花柱は赤紫色、長さは１０mm近くになり、ともに花被から突き出して目立ちます。 小花には、花筒に張り付くように卵形状の小苞がつきます。 果実は直径６～１０mmの液果で、未熟な時期から赤く、１２月～１月に赤紫色に熟します。

両性花 と 雄花 ／ 果実 （ やや未熟 ） 東京都薬用植物園にて

細い葉と草丈はヤブランにも似ますが、ヤブランの葉の方が硬く濃緑色、多数の葉がついて、ひとかたまりの株になります。 属名：Reineckea 、ドイツの園芸家 H.J.Reinecke の名に因む。 種小名：carnea 、肉色の、肉紅色の carneus という意味。 2024.12.18.New 参考書籍  「 ワイド図鑑 身近な野草・雑草 」、「 京都府下の山野草 」 、「 野草の名前・秋冬 」、他

１２月、まだ、花はあるのに、葉と落ち葉に隠されて見えない

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