ノミノフスマ 蚤の衾 （ ナデシコ科ハコベ属 ）

ノミノフスマ 蚤の衾 は、北海道～沖縄に分布する越年草で、やや湿った畑や水田の縁、荒れ地の雑草として普通に見られます。 和名の衾（ふすま）は夜具の古名で、葉をノミの布団にたとえたものです。 茎は細く紫色を帯びて、まばらに分枝し、草丈は１０～２５cmになります。 葉は対生し、葉身は長楕円形で長さ１～２cm、先端は尖り、明るい緑色をしています。 葉縁は多少波打ち、質は柔らかく、葉柄はなく、全体に無毛です。 他のハコベ類のミドリハコベやウシハコベは葉の幅が広く、茎などが有毛で、横に這って大きな集団を作ります。 比較してみると、本種は一回り小さく細い印象があります。

ノミノフスマ 蚤の衾 Stellaria alsine var. undulat 撮影地・東京都

花期は４～１０月、茎の先端にまばらに数個の花をつけます。 花柄１０～１５mm、ガク片は５個で、先は尖ります。 花弁は白色で、ガク片より少し長く７mmほど、基部近くまで２深裂する （ ハコベ属に共通 ） ので、花弁が１０個あるように見えます。 雄しべは普通５個、花柱は３個あります。 果実は熟すと先が６裂開して、長さ０．５㎜ほどの円盤状の種子をこぼします。 別属で名前の似ている ノミノツヅリ は、茎が堅く細く、全体に短毛があります。 より乾いた場所、道路の隙間などにも生えるところが異なります。

ノミノフスマ 蚤の衾

属名：Stellaria 、ラテン語 Stella 星 という意味。花の形から。 種小名：alsine 、この類の植物の古名から。 変種名：undulata;、波を打つ という意味。 2025．01．25．New 参考書籍  「 ワイド図鑑 里山・山地の身近な山野草 」、「 野草の名前・春 」、「 野草図鑑　はこべの巻 」、「 日本原色雑草図鑑 」

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