ツルドクダミ 蔓蕺草 （ タデ科ソバカズラ属 またはイタドリ属 ）

基原植物名 ツルドクダミ

生薬名 カシュウ （ 何首烏 ） [ 局 ]

用途 漢方薬、製造原料

ツルドクダミ は、中国原産のつる性多年草で、江戸時代に八代将軍・徳川吉宗の生薬国産化政策により導入された薬用植物のひとつです。 当初は、不老長寿薬といわれ、諸大名も栽培しましたが、繁殖力が強く野生化して、現在は帰化植物になっています。 名前は、つる性で、葉の形が ドクダミ （ ドクダミ科 ） に似ていることからつけられました。 茎はよく分枝して、右巻き・左巻きの両方があり、長さは３ｍほどまで伸び、他の木などに絡みついて登ります。 葉は互生し、葉身は卵形で長さ３～９cm、先端は尖り、基部は心形、全縁で質は柔らかく、やや厚みがあります。 葉柄は葉身より短く、基部は膜質の鞘状托葉が茎を包み、全体に無毛です。 ９～１０月に、葉腋に大きな円すい形の花序を出し、白色の小さな花を多数つけます。 花弁状のガクは５深裂して、雄しべは８個、雌しべは１個で花柱が３個つきます。 のちにガク裂片のうち、３個が長さ６～７mmと大きくなって果実を包み、裂片の背面につくヒレは翼状に発達します。

ツルドクダミ 撮影地・東京都薬用植物園  Fallopia multiflora synonym Pleuropterus multiflorus Polygonum multiflorum

ツルドクダミ の塊根は、生薬 カシュウ （ 何首烏 ） といい、民間では滋養強壮を目的に、薬酒などで利用しました。 また、漢方薬の当帰飲子などに用いられる外、滋養強壮系の医薬品に配合されることもあります。 生薬名 カシュウ （ 何首烏 ） の由来は、唐の何 （ か ） という老人が、ツルドクダミの塊根を摂ったところ、首 （ 頭、髪の毛 ） が、烏 （ カラス ） のように黒くなったという言い伝えによります。 属名：Fallopia 、人名由来。 synonym属名：Polygonum 、polys 多い ＋ gonu 膝、節。茎に多くの節があることから｡  Pleuropterus 、pleur～　傍ら ＋ ptero　翼、果実を包むガク片の形から。  Reynoutria 、人名由来。 種小名：multiflora 、multiflorum 、多数の、沢山の multi ＋ 花々 florum 、多くの花の 意。  属名は YList に従った。日本薬局方18改正では、Polygonum となっている。 2013.-2021.06.-2025.06.22.Re 参考書籍  「 生薬単 」、「 野草図鑑　つる植物の巻 」、「 日本帰化植物写真図鑑 」、「 家庭で使える 薬用植物大事典 」

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