トキワハゼ 常盤爆 （ サギゴケ科サギゴケ属 ）

トキワハゼ 常盤爆 は、道端や畑地などで普通にみられる１年草または越年草です。 和名は、花がほぼ一年中あって、果実が爆 （ は ） ぜる様子からとされます。 茎は高さ５～１５cmに直立または斜上し、少数の枝を出して、短毛が密生します。 葉は根本付近に集まって対生し、葉身は長さ１～６cmの倒卵形で、葉縁は数個の浅い鈍鋸歯があり、先端は丸くなります。 葉柄は初め短く、後に葉身と同じ位になります。 茎葉はないか僅かにつくことがあります。 花期は４月から１０月と長く、茎頂にまばらな総状花序をだし、淡い紅紫色の唇形花をつけます。 花冠は長さ１cmほど、上唇は短く下唇の半分位の長さで、先は浅く２裂します。 下唇は前方に突出して３裂し、側列片は横に張り出します。 花冠の内側は白色、下唇の中央列片は基部が黄色になり、赤褐色の斑紋部分が隆起します。 雌しべは１個、雄しべは長短２対の計４個あります。 ガクは鐘形で先は半分くらいまで５裂し、列片は披針形で先は尖ります。

トキワハゼ 常盤爆 Mazus pumilus 撮影・東京都

果実はやや扁平な球形で下部をガクに包まれ、熟すと上部が裂開します。 種子は長さ０．５mmほどの楕円形です。 本種に似ている サギゴケ は、春にだけ咲く多年草で、花はより大きく、色も濃いことが普通です。 また、走出枝を出して広がるのに対し、トキワハゼ は、走出枝を出さないため、株単位で生えるという違いがあります。 トキワハゼ の分類は変遷があり、ゴマノハグサ科からハエドクソウ科に移り、APGⅢではサギゴケ科に組み直されました。 属名：Mazus 、乳頭突起 という意味。花冠喉部の突起から。 種小名：pumilus 、低い、小さい という意味。 2023.09.-2025.06.08.Re 参考書籍  「 日本原色雑草図鑑 」、「 野草の名前・春 」、「 野草図鑑　すみれの巻 」、「 京都府下の山野草 」、他

（ 左から ） 冬の トキワハゼ ／ 楕円状の種子がこぼれている 撮影・東京都

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