キンマ （ コショウ科コショウ属 ）

キンマ は、インドから東南アジアで栽培される雌雄異株のつる性常緑多年草です。 茎は円柱形で赤みを帯びた緑色、節は肥大して二叉分枝をし不定根を出します。 他物に絡んで高さ２０ｍまで登り、あるいは地表を這っって広がり、一部でやや木質化します。 葉はふつう互生してつき、葉身は広卵形で長さ５～２０cm、先は急に細くなって尖り、基部は浅い心形です。 表面はやや黄色を帯びた緑色で光沢があり、両面ともほぼ無毛、厚く革質、全縁で縁は波状になります。 葉柄は２～５cm、微細な毛がまばらにつきます。 花序は葉と対生してつき、長さ２～３cmの花柄の先に、円筒形の穂状花序を下垂します。 雄花序は長さ１０cmほどあり、白から黄色の目立たない小さな花を、多数らせん状に並べてつけ、雄しべは２個あります。 雌花序は長さ３～６cmで、直径１．５～１cmほど、柱頭は４～５個あり、果実は核果で、結実は稀とされます。 （ 雄しべ、雌花序、果実の項は、下記の参考資料による。 なお、画像の花序は、長さから雄花序と推測するが、確認できていない。）

ヤシを登る キンマ

キンマ Piper betle 撮影：東京都薬用植物園、他

東南アジアでは、キンマ の葉を薬用に利用しています。 地域によって用途に多少の違いがあるものの、健胃、去痰、殺菌剤など、また、頭痛、関節の痛みや歯痛を和らげるのに用います。 嗜好品としての利用 ベテル・チューイング については、ビンロウ の項に記載しています。 属名：Piper 、古ラテン語のコショウから。 種小名：betle 、マレーシアの現地語 （ 不明 ） vettila から。 2012.09.25.-2020.04.-2025.10.20.Re 参考書籍等 「 生薬単 」、  Plants Of the World Online Portal https://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-0000479518  ScienceDirect Topics https://www.sciencedirect.com/topics/agricultural-and-biological-sciences/piper-betle  National Library of Medicine https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9170825/

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