リュウキュウバショウ 琉球芭蕉 （ バショウ科バショウ属 ）
別名 イトバショウ 糸芭蕉 ／ リュウキュウイトバショウ

リュウキュウバショウ 琉球芭蕉 は、日本の南西諸島から東南アジアにかけて分布する常緑の多年草です。 太い茎は葉鞘が巻き重なった偽茎で、高さ３ｍほどになります。 葉柄は５０cm位、葉身は長楕円形で長さ１５０cm、幅３０cmほどあり、中央脈から葉縁に向かって側脈が平行に並びます。 ４月に偽茎頂から１本の太い花軸を出し、先に赤紫色の大きな苞が多数重なり集まった花序をつけます。 苞の間には小花が１０～１５個程度あり、２段になってややムラにつきます。 花弁は大きな上唇と小さな下唇で筒状になり、雄しべ５個、雌しべ１個あります。 花軸の基部側には雌花がつき、次々と苞が開いて咲き進むと、途中から先は雄花に変わります。 花が咲き終わると、剥がれ落ちた苞と花の跡が、伸長する花軸に段々になって残ります。 果実は初め白緑色、長さ１０cmほどのバナナ状で、黄色に熟します。 種子は、４～５mmの黒い球状で多数が入り、そのため、食用には向かないようです。

リュウキュウバショウ ／ イトバショウ  Musa balbisiana  撮影・沖縄県大宜味村

糸芭蕉の畑では、繊維の品質を良くするため、芯止め、葉落としを行うので、丈が低い。

芭蕉布は、イトバショウ の偽茎から採る繊維で織られ、琉球王国時代には、王族から農民の作業着までと、幅広い用途に利用されました。 栽培から、繊維を採取し糸にするまで、機械化が難しいため、工程の多くは人の手により行われます。 近代化の波で衰退したうえ、太平洋戦争では壊滅的な打撃を受けました。 現在では高い評価を得る希少な伝統工芸品になっています。 詳しくは、喜如嘉の芭蕉布 へ （ 2025/05/10確認 ） 属名：Musa 、① アラビア語のバナナに由来とする説、  ② ローマ帝国の医師 Antonius Musa への献名説がある。 種小名：balbisiana  、伊・植物学者 Giovanni B. Balbis への献名。 変種名：liukiuensis  、琉球の という意味。 広義の学名：Musa balbisiana 、synonym：Musa liukiuensis 2013.04.-2020.04.-2025.05.11.Re 参考書籍等  「 沖縄の身近な植物図鑑 」、小冊子 「 喜如嘉の芭蕉布 」、他

トラフバショウ 虎斑芭蕉 （ バショウ科バショウ属 ）

生食用 バナナ の祖先は、広義のムサ・バルビシアナ Musa balbisiana リュウキュウバショウ と、東南アジア原産の野生種 ムサ・アクミナータ Musa acuminata の２つの系統があることが分かっています。 スマトラ島原産の トラフバショウは、 Ｍ．アクミナータ に比較的近いといわれる変種です。 名前は、長い葉に、赤茶色の筋状の斑 「 トラフ、虎斑 」が入ることからつけられています。 偽茎の高さは３ｍほど、果実は小さく種子が多いため、Ｍ．バルビシアナ同様に食用にはされないで、こちらは観賞用として栽培されています。

トラフバショウ 虎斑芭蕉  Musa acuminata var．sumatrana 撮影・つくば実験植物園、他

種小名：acuminata 、鋭尖の、先が次第に尖った の意味。 変種名：sumatrana 、スマトラ島の。

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