ハマスゲ 浜菅 （ カヤツリグサ科カヤツリグサ属 ）

基原植物名 ハマスゲ

生薬名 コウブシ （ 香附子 ） [ 局 ]

用途 漢方薬

ハマスゲ 浜菅 は、熱帯から温帯に広く分布し、国内では本州から九州の沿岸域に自生する多年草です。 日当たりの良い場所を選んで生え、地下茎が横に伸びて、先端に塊茎を作って増えます。 他に切れた根からも発芽する強さがあり、河岸や道端に生えて、世界的にも強害草として知られています。 葉は幅２～６mmの細長い線状で叢生し、やや厚く光沢があります。 夏から秋にかけ、高さ１５～４０cmの３稜のある花茎を立ち上げます。 茎頂に１～３個の長い針形の苞葉をつけ、際から数本の花序の枝を伸ばし、先に小穂をまばらにつけます。 小穂は線形で長さ１．５～４ｃｍ、小花２０～３０個からなり、小花は赤褐色の鱗片に包まれます。 雄しべ３個、雌しべは１個、柱頭は３裂して白い糸状になり、葯と柱頭は鱗片の隙間から外にでて目立ちます。 地下の塊茎を薬用とし、生薬名を コウブシ （ 香附子 ） といい、胃痛、腹痛などの鎮痛、食欲不振の改善を目的に漢方処方に用いられます。 生薬名は、外見が 生薬 ブシ （ 附子、トリカブト の根茎 ） に似て、全草、特に塊茎に香りがあるとしてのものです。

ハマスゲ 浜菅 Cyperus rotundus 撮影・東京都薬用植物園

属名：Cyperus 、古代ギリシャのスゲの名 cypeiros に由来。  他に、愛の女神 Cypris 由来説も 種小名：rotundus 、ほぼ円形の、丸味のある （ 塊茎 ） rotundus という意味。 2013.-2021.05.-2025.04.04.Re 参考書籍  「 野草図鑑　すすきの巻 」、「 生薬単 」、「 新訂生薬学　木村孟淳、他 2023年 」、他

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