マニラアサ （ バショウ科バショウ属 ）

マニラアサ は、フィリピン原産の大型の多年草です。 葉鞘が重なってできる長い偽茎は、高さ３～５ｍに、太さは２０～４０cmになります。 葉柄は長さ１～２ｍ、葉身は長さ１．５～２ｍあり、大きな長楕円形で先はやや尖ります。 葉の中央脈から、両側の葉縁に向かって脈が平行して並びます。 茎頂から長い花軸を伸ばし、先端には赤紫色の多数の苞が重なってつきます。 各苞の内側には、淡黄色の花が２段になって横並びにつき、花数は１０個ほど、苞が開くと花が咲きます。 苞は開花後に落ち、花軸が伸びて、次の苞が開き、花は長い間、咲き続けます。 初めの５～６個の苞につく小花は雌花で、後は雄花になります。

マニラアサ Musa textilis 撮影・つくば実験植物園

マニラアサ の葉鞘からは、丈夫な繊維を採ることができます。 軽くて水に浮き、塩水にも強く、耐久性があることから、船舶ロープや、高級な紙などに利用されています。 英名 Manila hemp は、原産地であるフィリピン最大の都市マニラ （ 現在の首都 ） と、長い間、繊維の代名詞になっていた hemp ( アサ ） からつけられ、和名 マニラアサ は、その英名の直訳から。 別名にマニライトバショウ、アバカ （ Abaca ）があります。 属名：Musa 、① アラビア語のバナナ由来説、② ローマ帝国の医師 A．Musa へ献名説。 種小名：textilis 、編んだ、織物に用いる という意味。 2013.04.20.-2020.04.-2025.05.10.Re 参考書籍 「 新牧野日本植物圖鑑 」、他

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