ヤエヤマヒルギ 八重山蛭木 ／ 八重山漂木 （ ヒルギ科ヤエヤマヒルギ属 ）

ヤエヤマヒルギ 八重山蛭木、八重山漂木 は、沖縄本島が分布の北限とされる常緑高木で、国内では１０ｍほど （ 熱帯では３０ｍとも ） の樹高になります。 オヒルギ、メヒルギ とともに、日本のマングローブを構成する主要な樹木のひとつです。 根本の近くから、多数の呼吸根 （ 支柱根 ） を周囲に弓なりに伸ばす樹形は、マングローブでも目立ちます。 ヒルギ類の中でも、塩分耐性が強いことから、汽水域のより外 （ 海 ） 側のエリアに生育します。 葉は対生、マングローブの周囲の葉より大きいため、別名 オオバヒルギ 大葉蛭木 ( 漂木 ) ともいいます。 葉身は楕円形で長さ１０～２０cm、先端には細く針状の突起があるのが特徴です。 縁は全縁、質は革質で厚く、両面とも無毛、表側は滑らかで光沢があり、葉裏には小さい黒点が広がって、葉柄は３cmほどになります。

ヤエヤマヒルギ 八重山蛭木 ／ 八重山漂木 Rhizophora stylosa 撮影：沖縄県

花は５～８月～（１２月）、葉腋に集散花序を出し、数個の花をつけます。 花弁は白色で４個あり、雄しべ８個、雌しべは１個、ガクは黄白色で４裂し、裂片は三角形、長さは１～２cm、厚みがあります。 花弁の縁には綿のような細毛がつき、あまり開かないガク片の間から外へ出て、やや反転します。 花の色から、もうひとつの別名 シロバナヒルギ 白花蛭木 ( 漂木 ) があります 果実は卵形をした胎生種子で、果実の内部で発芽すると、胚軸がこん棒状に伸びて、長さは２０～４０cmになります。 ヤエヤマヒルギ の胚軸の表面は、滑らかなメヒルギ、オヒルギと違って、低いコブ状のデコボコした表皮になっています。 胚軸は細長い幼木の状態で果実から抜け落ち、落下した干潟に根付くほか、海流散布によっても分布域を広げるのは、２種と同様です。

ヤエヤマヒルギ 咲いている花と花後の様子 撮影：沖縄県

属名：Rhizophora 、rhiza ( rhizon ) 根 ＋ phoreo ( fero ) 持つ から、胎生種子のことか？ 種小名：stylosa、stylosus 花柱のある という意味か？ 2025.02.25.New 参考書籍  「 琉球の樹木」、「 沖縄の身近な植物図鑑 」、「 ワイド図鑑 身近な樹木 」、他

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